2016年12月25日

『英検1級合格マップ』ご献本感謝。

2015年に最初に合格する前に、JunさんのSkype英検模試に参加させていただいた。仕事で過去問一回まとまって解くことが難しかったけど、Skypeで参加すると強制的に集中して解けたのでいい体験をさせてもらった。

そのJunさんがアルクから『英検1級合格マップ』を出され、サイン付きでロンドンまでご恵投いただいた。

IMG_0355.JPG

協力者名に私の名前が入っているんだけど、何もしていない(笑)編集者の方からの英検の勉強に関する問い合わせに答えただけだ。

Amazonでは本以外での評価が荒れているが、「英検1級は夢だなぁ」と思っている人にとっては、英検1級取得へのきっかけになる本だと思う。間違いなく気合が入るとともに、夢が身近な目標に変わる。つまり漠然とした夢が、合格という具体的な目標に変化し、自分でどのような勉強計画を立てようか、というところまで促してくれるだろう。

本書の構成は以下のとおり。

Chapter 1 英検1級ってどんな試験?
Chapter 2 パート別攻略法(一次試験)
Chapter 3 パート別攻略法(二次試験)
Chapter 4 みんなの合格体験記

まず第1章で英検1級の過去問の一部から、試験の解説がされる。長文の内容一致選択問題であれば、過去問を示しつつ、3問付き問題であれば、内容の1/3を読めばカギとなる情報がある、などの具体的な対策も示されている。

第2章、第3章は受験者が気になる合格への対策編だ。語彙対策ではデジタル+アナログを組み合わせた学習を提案、長文では過去問でのトレーニング、リスニングでは先読みとポッドキャストの活用、面接ではスピーチ原稿の自作など、著者自身の体験にもとづいて記載されている。

第4章の付録的についている5人の合格体験記も刺激的だ。合格までの方法は人さまざまだということがよくわかる。自分の勉強法は自分で考える、そしてそれは人さまざまであること、勉強法で迷ったとしても自分を信じればいいこと、がよくわかる。大学受験の時に、志望校の合格体験記を読み漁った年代としては、こういうのは大好きだ。

一方で、英検1級を持っている人、さらに英語力を高めたいと思っている人にとっては、経験済みのところもあるし、ある程度勉強法も持っていると思う。その人には戦略と勉強法の確認になるだろう。

いずれにせよ、クリスマス(ロンドンは意外に町は静かで、25日は交通機関も含めて商店など町はすべてがストップする)の読書にはよかった。

わざわざロンドンまで送付していただいた編集者と執筆者のJunさんありがとうございましたm(__)m


私個人としては、最近英語力をあげたいと思うので、もっと極めた勉強法についても知りたいなと思う。(英検の過去の文部科学大臣賞受賞者の勉強法公開とか、IELTS8.0以上への道とか、英検スコア3400への道とかw)。でもそんなマニアは数が少ないので、初版(一般的には3000部)が捌けるほどマーケットを形成していないし、一般的な英語勉強法的なものはマーケットでは過当競争だから、本になるわけはない。

実際、母数の多い(しかも級に分かれていない)TOEIC対象本はマーケットがでかいから本も作りやすいだろうし、一般的な勉強法であれば、脳科学者の茂木健一郎とか元Googleの村上憲郎など別マーケットでネームを確立した人に振る方が出版社的には安全である。

この意味で、1級受験対象者2-3万人程度のマーケットに向かって、本書を企画したアルクもすごい。参考書は旺文社、ジャンパンタイムスが定番になりつつある中で、角度を変えて、体験系で参入してきたわけだから(編集担当者さんも企画会議でがんばったんだろうと思う。その分、初版部数と採算ラインの設定で、価格が1500円割れなかったのかもしれない)。

もうけはないだろうけど、英検が大学入試や単位取得の手段、4技能計測手段としてもっとメジャー化するようなことがあれば、出版社としても先見の名があることになる。英語の勉強法と参考書は、大学受験者数(大学受験参考書販売数)が減少する中で、いいマーケットに成長するだろうから。

ちょっとアルクファンになっちゃったw

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CAN-DO SPIRIT COACHの栗坂幸四郎さんという方が、本書を「剽窃」と主張している。ちょっと栗坂さんの主張を読んだ感想を述べておく。(12月28日追記)

なお、この件はアルク側が抗議して栗坂さんは主張をやめている。(1月13日追記)
アルク側の主張はこちら(PDFファイル)。

0)主張の概要
はじめに、Junさんを素人英語学習者ではなく玄人学習者(英語教育者)だとし、「もちろん、我々英検1級対策スクール側からすると「敵」となるのは十分承知の上です。かと言って別にとやかく批判するつもりは毛頭ありません。」

と前置き。本文で「剽窃」を主張し、最後にスクールは

「あくまでも【何人の受験生を合格させたのか?】がまぎれもない義務であり責任でもあります。」

と結ぶように話をもっていっている。(アルク出版「英検1級合格マップ」の剽窃について

1)剽窃
剽窃とは一般に他人の著作などの語句表現をあたかも自分の表現として使うことだ。出版で問題になるのは、その本の中で一段落とか一ページとかまとまって同じ表現を写していた場合などである。(引用を示している場合は別。)

栗坂さんの主張である、パス単の暗記とか、時間配分とかは似ているところがあるだけで、同じだとはいえないように思ったし、本書全体の何割かを占めるかを考えたら、明らかにメルマガ等彼の著作権を侵害されたとはいえないと思った。(注)

2)アイデア
それでも、本書を作成するにあたって、アイデアが盗用されている、と主張することは可能だ。ただそれでも、栗坂式という名前で商標登録したメソッドなのかどうかという点が法律的に問題になるだろう。

例えば、マインドマップというのは商標登録され、そのアイデアは知的財産権で保護されている。したがって資格のある人でないと、内容を人に教えることはできない。

それに、「五感を使って単語を覚える」的なものは、「授業を聞くだけではなくノートを取れ」的な一般的に常識として共有されうるものなので、〇〇式として門外不出的なアイデアと言えるのかどうかはわからない。

一歩譲って、もしそれが栗坂式独自のもの、Junさん自身がもし講座を受講したとしても、受講料の対価としてアイデアは販売されている。つまりアイデアの所有権は移転しているのであって、自分の販売した商品をあれは俺の商品だというのは難しい。

3)独学?
気になったのは独学かどうかという点だ。というのも合格者の体験談を提供している「5人の合格者のうちなんと3人もが外部のプロの英検1級対策スクールも活用しながら合格されていらっしゃる」という点を指摘しているからだ。

つまり学校を利用した場合「独学」といえるのか、という点だ。

大人の場合、自分で学習計画を立てて、自分で学習教材を選ぶ。その時に学校形態をとったもの(ネットも含めて)を選んだ場合、学校に行ったから独学でない、と主張できるのだろうか。私は独学のように思うのだが。。。

4)WinWin
営業妨害だと栗坂氏が感じたことは事実であろう。でも、他者はそうは感じないように思う。なぜなら本書の発売は英検1級者の潜在的受験者を掘り起こす可能性が大きいので、むしろ英検1級対策やる学校にとっては受講者の拡大につながるように思う。つまり本の出版も学校の経営もWinWinの結果に落ち着きそうだという感じがしている。

学校を経営する以上、与える知識やノウハウの拡散は避けられない。同業他社がノウハウを盗んだら問題だけど、やっぱりJunさんは営利的な勉強会をやっているわけではない(と思う)ので、玄人とは言えない。

一歩譲って、Junさんが玄人で同業他社だとしても、学校であれば、さらに同業他社に負けないよう教える内容を進化させていく必要があるとは思う。

いずれにせよ、Junさんは玄人ではないこと、剽窃とはいえないことから、被害妄想による主張のように思った。(前置きしたように個人の感想)

(注)最近の実際に剽窃されたという問題は高橋洋一氏と講談社の『中国GDPの大嘘』がある。簡単な内容はこちら。これと比べても栗坂氏の剽窃の根拠は薄い。
posted by NOBU at 08:00| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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