2016年12月26日

私の1級合格体験記(&勉強法)

今でこそ安定して英検1級合格しているけど、最初は苦難だらけだった。

どうすれば1級合格することができるのか、Junさん本の合格体験記にも刺激を受けたので、改めて、詳細な合格体験記と勉強法をまとめておきたい。

2014年11月頃に英検1級の受験を決意して、2015年の第2回検定(10月、11月)の3回目の挑戦でようやく合格した。英検対策始めてから約1年かかったことになる。

ふり返ってみると無駄な勉強したな,という反省もあり,効率的に英検を勉強したいという人のために,自分の体験を残しておきたいと思う。(長文です。)

目次
■英検,そして過去の戦績
■どの教材を用いてどのように勉強するか
1.語彙+4技能の基礎を固める教材を見つける
2.過去問は試験対策に必要かつ最高の教材である
3.語彙力を伸ばすために,「暗記」から「作業」に変えた
4.リーディングは精読と多読を組み合わせて
5.リスニングはディクテーションとシャドーイング(だと思う・・)
6.ライティングは書くより覚えろ
7.スピーキングは1人スピーチコンテスト方式で
■教材と勉強法のまとめ
■おわりに



■英検,そして過去の戦績

まず英検1級を受けるにあたって,公開されている過去3回分の過去問を解いた(語彙,リーディング,リスニングのみ)。TOEIC900以上は,英検1級レベルなんていう話しも聞いたことがあったので,まずは自分の得点がどれくらいかを把握したかったから。でも結果は3回とも85点中40数点しかとれず,実質50%前後の正答率しかなかった(合格にはライティングを含めて70〜75%の正答率が必要)。

ここからもわかるようにTOEIC900を超えても,英検1級合格は簡単ではない。その理由は、そもそも英語力測定の対象が違っているという点にある。TOEICはビジネス場面を中心としており,どちらかといえば平易な単語が使われる。英検1級では英字新聞や雑誌などの文章を読まされ,リスニングも日常会話でだけではなく学術的な内容のものもある。ライティングやスピーキングでは社会問題について論理的に自分の意見を表現することが求められる。

つまり、英検1級は,専門知識がなくとも社会性の高い幅広い分野の話を英語で理解することができるかどうかを試している。英語基礎力はすでにあることが前提だ。ただその分筆記で合格するレベルにまでいくと,英字新聞や雑誌,ニュースから情報を得るのが楽になるのは確か。英検は,ただの試験勉強には収まらない,英語力向上に役立つ英語試験だと思う。(だから何回も受けているところがある。)

さて,ここで、合格までの英検結果3回分を振り返っておきたい。ある意味合格までの道のりである。

過去の戦績。(2015年度まではスコア制ではなく点数で合否が決まっていた。)

2015年1月(2014年度第三回試験)に第1回目の挑戦。自信を持っていた得意のはずのリーディングで失敗した。理由は語彙と作文対策に時間がとられ,ほとんど何も準備ができなかった。

語彙14/25 リーディング8/26 リスニング20/34 ライティング20/28
合計62点/合格点77

危機感でかなり勉強して2015年6月(2015年度第一回試験)に第2回目の挑戦。手応えはボーダーラインか,といったところだった。懸念だった語彙も高得点がとれ,リーディング,リスニングも大きなミスなしだった。でも作文対策をあまりやらなかったために,作文で大ミス。2点に泣いた。

語彙21/25 リーディング23/26 リスニング23/34 ライティング16/28
合計81点/合格点83

夏休みは気合いをいれて勉強し,満を持して3回目(2015年10月―2015年度第二回試験)に臨んだ。3回目ともなると,また失敗するのではという不安感にも襲われる。

幸い,とくに大コケする分野がなく,満遍なく点数がとれて1次に合格することができた。

語彙24/25 リーディング24/26 リスニング26/34 ライティング20/28
合計94点/合格点85

2回目受験の時にもすでにスピーキング練習はやっていたので,ネタの暗唱,音読,1人スピーチなどをやって準備し,2次試験に挑戦。

スピーキング(2次面接) 64/合格点60

ギリギリで合格した。

下のグラフは,全体受験者,合格者の中における自分の位置の変化を示している。平均点をみると試験自体が少し易化している中,勉強効果が表れて着実に伸びていることがわかる。


英検受かるまでの成績.jpg


■どの教材を用いてどのように勉強するか

合格までの勉強ではいろいろな教材を試した。英語力を伸ばすこと,試験に合格することを考えて,以下の教材と勉強の仕方をオススメしておきたい。

1.語彙+4技能の基礎を固める教材を見つける

英検は,語彙+4技能の試験。公式にはこのような言い方はされていないけど,英検の特徴は語彙力を問う設問があり,配点も低くない。語彙力を伸ばしたい人にとっては適した試験だ。

英検1級を受ける前に,準1級までの語彙や表現を自分で使いこなす基礎力を持っていることが必要だと思う。私は準1級をとってから20年以上のブランクがあったので,語彙,4技能の基礎を身につける必要があると感じた。

1級基礎力の確認のためには,準1級の過去問を解いておくことを勧める。正答率が8割あれば,準1級は余裕で合格するので,1級の基礎はあると判断できる。

準1級レベルの語彙+4技能の基礎をつけるために使ったオススメ教材は,『DUO 3.0』。

この本では,英検準1級までの単熟語(時には1級レベルのものも)2600語が560本の短文にちりばめられており,文章で単語を効率よく抑えることができる。また560本の文章も,実際に役立つ会話文や文章で構成されているので(中には1級で使われる表現も),丸暗記できるまで繰り返せば,単語,リーディング,リスニング,ライティング,スピーキングの基礎力をつけるのに,役立つ。語彙+4技能の基礎を固めるには,ぴったりの教材だ。

私は最初リスニングから入り,リーディング,シャドーイング,そして瞬間英作文,暗唱(ライティング,スピーキング対策)へと進んでいった。今でも基礎力をもっと確実にするため,通勤時などではリスニングしながら脳内シャドーイングしたりして復習している。

音読,リピーティングを通じて,英検準1級までの語彙を完璧にしつつ,よく使われる表現をマスターすれば,英語を英語のまま理解する基礎ができると思う。また暗唱すればライティングとスピーキングにも役立つ。

2.過去問は試験対策に必要かつ最高の教材である

総合的な試験対策としてはやっぱり過去問が一番だ。過去問で使われている単語や表現は新しい試験でも繰り返し表れる。英検は他の級とともにレベルにあった語彙と表現が選ばれるからだ。また,試験の定石だが,過去問で形式に慣れることこそが,時間内で解ける力をつけることにつながる。ちなみにリスニングの問題(Part1)は過去問の再利用があるので,過去問をやっておくことは重要だ。

試験対策だけでなく,英検のリーディングはそのまま読んでも面白い内容を含んでいる。リスニングでも説明文(Part2)は,英語を学ぶ教材としても非常にいいものになっている。何度も復習することによって使える英語が身につくように感じた。

過去問は直近3回分を英検HPからダウンロードできる(こちら)。

最初の受験の時には,『毎日ミニ模試英検1級』を使った。これは2010年前後の過去問から選りすぐられて構成されたもの。

1回目の受験時は,語彙と作文対策に時間をとられてしまい,ダウンロードした過去問3回分とミニ模試(全体として2模試分程度)を2回ほど繰り返しただけだった。

第2回目からの受験には旺文社の『英検1級 過去6回全問題集』を用意した。2015年版だとダウンロードできる過去問と重なってしまうので,実際には,私は2014年度版の過去6回全問題集を購入した。

英検の過去問は毎年3月頃,新年度版の全問題集が出版される。新年度版が出版されると旧年版の発売が終わる。それでも欲しい人は多いため,旧年度版の中古価格が上昇する。とくにCDはプレミアムものになるのか,めちゃくちゃ高くなる。旧年度版を探す場合は,ネットでしっかり検索して,安いものを探す方がいいと思う。

過去6回全問題集は2年分の過去問が入っている。各年おきに買うことができると,過去問をたっぷり用意することができる。

2回目の試験を受ける時には,とにかく過去問に力を入れた。用意した過去問10回分を最低5回ぐらい繰り返すとともに何度も復習した。

3回目の試験を受ける頃までには大体10回ぐらい繰り返した。それだけ繰り返しても1,2問は間違えていたけど....

過去問が試験対策全体としての勉強の中心だったが,語彙+4技能分野別に行った対策は以下のとおり。

3.語彙力を伸ばすために,「暗記」から「作業」に変えた

英検の特徴は語彙問題にある。語彙問題は21個の単語選択と4個の熟語選択から構成される。難解語彙も含まれるけども,それでも英字新聞などでよく使われる単語のため,語彙問題対策をすると,英字新聞,雑誌を読むのが楽になる(専門用語は除く)。

単語対策は,『英検1級でる順パス単』(通称:パス単)がもっともいい。過去12回分の過去問を分析した結果,パス単の単語の出現確率(語彙問題の選択肢に出る確率)は25%ぐらいだ。4個中1個は出ますよ,という感じだ。語彙問題のみでこの高さなので,読解問題の文章を入れたら出現確率はもっと上がる。

ただ記憶力が衰退してしまっている年齢なので(笑),単語暗記が一番しんどかった。無理に覚えようとすると,あまりの覚えられなさに,自分がいやになり,挫折してしまう。

単語暗記はしたくない,でも単語は覚えたいというジレンマの中,試行錯誤してオススメできるのは,『百式英単語 最速インプット→2023』が提唱している勉強方法だった。(ついでに大学受験単語の復習にもなった。)

百式英単語勉強法の詳細は本に譲るが,やり方は,こんな感じ(YouTubeに動画がある)。

100個程度の英単語を1セットとする。英単語を音読,続いて訳語を音読、これを1単語につき2回繰り返す。1単語を英語→訳語と2回読んだら,次の単語に移っていく。1セットの(100語前後)が終われば,また最初からやっていく。1日20分の時間で,1セットの単語を4周することができる。1週間毎日同じセットを繰り返して終了し,翌週からは新たな100語のセットに移行する。

メリットは,暗記するというつらい作業が,1日20分の単純な音読に代わるので,毎日続けやすい。デメリットは1ヶ月で400語程度,パス単2100語を終えるのに,最低5ヶ月はかかるという点(まぁ仕方ないと思う)。

実際,1回目の受験時までにできたのは700語だった(準備期間は約2ヶ月ほどだった)。2回目の受験までに2100語を終わらすことができた(約4ヶ月の時間がとれた)。3回目の受験時には全部を何度も回したので,3回目に受験した時の語彙問題は全問正解するまでになった。まだ完璧にはほど遠いので今でも時々復習をしている。

また過去問を整理した『出る順で最短合格! 英検1級 語彙問題完全制覇』もいい参考書だ。過去,頻出している単語が分かるし、試験形式と同じなので、2回目の受験時までには過去問とともに5回程度繰り返した。

試験対策としては、上記で十分だと思うけど、さらに新聞、雑誌をより読めるような語彙力をつけたいと思い、『発信型英語10000語レベル スーパーボキャブラリービルディング』の第2章(一般語彙力パワーアップ編の約1000語)もやった。

これはパス単と重なる部分も多かったので,百式英単語記憶の方法ではなく,CDを聞きつつ,「何回も読むこと」を繰り返す方法にした。見る回数,読む回数が増えれば、親しみが増え、そのうちに記憶されるようになってきた。ただどうしても覚えられないという単語は,別紙に書き出し,机の横とかにおいて見る回数をさらに増やした。

ちなみに、英検受ける前の私の語彙力のレベルはひどいものだった。

最初パス単で確実にわかった単語は2割ぐらいだった。パス単を買ったものの,これどうやって覚えようと呆然としたことを覚えている。過去問を解いたときには,語彙問題の25点中5~6点しかとれず,英検1級語彙の壁の高さにやる気をそがれた。

その時にWeblioで単語力測定してみると,「レベル6、3501〜4000語、中級者」のレベル、また英検1級の単語テストでは「カバー率30%、判定D、合格多難」だった。

単語を覚えるというのが,50手前のオッちゃんにとって一番辛い作業だった。覚えようとトライしてみたものの,数ページで挫折。どうしようと悩んでたときにネットで見つけたのが,百式英単語だった。

最初は半信半疑だった。この方法も若い人しか通用しないだろうと。でも他にもピンとくる方法がネットで見つからないので,百式に取り組み始めたというのが実情だった。でもこれは大正解。覚えるのではなく,読んで見る回数を増やすという「作業」にしてしまい,心に無理なプレッシャーを与えずに続けることができた。

これで,2回目の受験までには(はじめて半年後),Weblio単語力測定で1万語を超え,英検1級単語テストでも合格確実圏に入ることができるようになった。

英検1級の語彙は、一般に1万語から1万2千語必要と言われている。最初の語彙学習は何よりも優先して勉強すべきものだ。リーディング、リスニングで知らない単語が断然減る。

ところで、熟語対策はとくにやらなかった。配点は4点なので無視してもいいかと思う。また私が分析したところ,パス単の熟語の過去問出現確率が非常に低いのであまり役に立たない。やったのは,過去問と上でも触れた『出る順で最短合格! 英検1級 語彙問題完全制覇』のみだった。

本書の内容は,過去問を持っている人は重なりがある。本書は2014年度までの過去問を分析した結果,作られているので,2015年第1回以降の過去問とこれだけで熟語は十分だろうと思う。

4.リーディングは精読と多読を組み合わせて

リーディングは過去問の精読と繰り返しを中心に行った。語彙力さえつけられれば,英検1級の文章はほぼ読めるようになる。

対策としては,解き方になれること,幅広い分野の内容を読み慣れることだ。

解き方に慣れるためには過去問が一番。読解問題には,空所補充と内容一致の二種類がある。最初私は,空所補充に慣れなかった。比較的読めているにもかかわらず正解が導けないといった状態でだった。内容一致でも,選択肢が長いために,上手く正解が導けなかった。

精読を繰り返し行っていく中でわかったのは、正答率をあげる鍵は,選択肢と本文の言い換え(paraphrase)関係を見つけることだった。英検の問題では選択肢を選ぶ根拠が必ず本文にある。そしてその根拠文にもとづいて,別の言い方で選択肢が作られている。

したがって,本文と質問,選択肢を分析し理解できるまで精読を繰り返すことが役に立った。同じ問題を何回も解き,間違えるところは大体,根拠をあやふやに選んでいる。その根拠文と選択肢の関係をしっかり把握するまで,過去問に取り組むと正答率はアップする。

次に,英検は幅広い分野の文章が出てくる。歴史・文化,社会・経済,科学・技術,環境・食糧,医学・心理などだ。幅広い分野の多読用として,『 英検1級 文で覚える単熟語』を使った。付属CDを聞きながら,本文を読み,意味をとるのをひたすら繰り返した。この本は語彙力もつけられるメリットもある(パス単の復習にもなる)。

リーディングの勉強をしていて,過去問などでは,何度読んでもわからない構文というのがいくらかでてくる。本当はそれを徹底的に調べた方がいいと思ったけども,私の場合は解答に関係なければ,「そんなもんだ」というように割り切ってスルーしていた。というか文法書を引いて構文を理解しようとするのが面倒だったので(汗)

5.リスニングはディクテーションとシャドーイング(だと思う・・)

リスニングも過去問の繰り返しを集中的にやった。

勉強法は,過去問のスクリプトの音読,シャドーイング,選択肢の研究などを繰り返したけど,2回受験してもリスニングに伸びがなかったので,勉強法を変更。

聞いて書き取るというディクテーションに取り組んでみた。これは時間はとられるけど,とても効果があったように思う。これによって,(1)音が聞き取れないのか,(2)単語や表現を知らないのか,原因をはっきりさせることができたからだ。私の場合は,There is(are), have/hadや冠詞の聞き逃しが多かったことがわかった。

これにより対策ができる。

(1)の場合は,何度も聞きながら,遅れながらも同じスピードで自分で言えるようになるようにする(シャドーイング)。自分で言えるようになれば,聞き取れるようになるはずだ。

(2)の場合は,ただ表現を覚える,それだけだ。

いずれにせよリスニングの対処法がわかったという意味で,ディクテーションはいい方法だった。

ただディクテーションは時間がかかる。ある程度やれば自分の聞き取れないところのクセはわかってくるので,あとはシャドーイングでいいだろうと思う。

ただ点数を見る限り3回ともリスニングはそんなに伸びていないので,まだまだリスニング力向上のために勉強を工夫する必要があると思っている。シャドーイングもきちんとできているとはいえず,シャドーイングの方法をさらに研究する必要があると思っている。

6.ライティングは書くより覚えろ

ライティングは,とにかく書いてみよう,というアドバイスが多い。でも私にはあまり効果的ではなかったと思う。

最初は,過去問を使って英作文を作成。英作文のフルーツフルイングリッシュで添削してもらっていた。
でもこの勉強法には3つ問題があった。(1)添削結果を見直すのが面倒くさい(自分の問題w),(2)添削されても冠詞や多少の文法の間違いが指摘されるだけ,(3)毎回似たような構文と表現で稚拙な文章の使い回しに陥る,といったものだ。

もちろん実際に書いてみることによって英検エッセイの形式に慣れるという効果はあった。でも,英検1級の語彙を使いつつ,英検1級にふさわしい一段上の表現ができるようになりたい,という目的には「自分で書くだけ」では無効だった。

受験1回目は「都市化」という自分の得意なテーマであったので,すらすら書け,合格点である20点(7割)を確保できたけども,2回目では「クローン技術」というテーマでは16点と,まったくぼろぼろだった。

そこで勉強法を変えて,エッセイの型と幅広い分野の表現を身につける,ことを目標に暗唱に取り組んだ。

まず,英検エッセイの表現を身につけるために,過去問の模範解答を7本覚えました。(本当は10本覚えたかったけど,時間切れ。現時点では11本暗唱している。)

このメリットは,英検エッセイの「型」を身につけることだ。

イントロ,ボディ,コンクルージョンの三段構成はもちろんのこと,イントロの導入,意見表明の表現,ボディでのトピックセンテンス,サポートセンテンス,コンクルでの話のまとめ方について,理解が進んだ。また各パラグラフでの使える言い回しを身につけることができた。

次に,幅広い分野の表現を覚えることを目標に『英検1級英作文問題』を使った。

この2章の練習問題は予想問題として10分野にわたってAgree/Disagreeの二つの側面から模範解答が用意されている。自分の好きな方の意見の模範解答を選び,模範エッセイを10個暗唱した。暗唱したあとは確認のために全文書き起こしながら,かつ自分の意見のように書くという方法をとった。

そして幅広い表現を身につけるために,本書の「別冊」を使った。この使い方はスピーキングとも共通するので,次項で説明する。

さて,単語自体を暗記するのがきらい、つらい私が,どうやって暗唱できたのか。

1)場所は電車の中で
2)1文ずつ読んで,脳内で暗唱。1文できれば次の文へ。1パラグラフ暗唱できれば次のパラグラフに移る
3)1パラグラフ終了すれば,最初のパラグラフから脳内再生,暗唱。
4)帰宅後(出勤後),声を出してみて暗唱成果を確認。時間をみつけて,脳内再生。
5)翌日か翌々日に暗唱成果をパソコンに打ち込んで確認。(ただしパソコン入力。本当は手書きで練習する方が本番への準備にはいい。)

文章は意味があるので,単語よりもやりやすかった。またDUOなどで基礎力がついた成果なのか,模範エッセイを3個ぐらいやると,だんだん覚えることへの負担が少なくなってきたように思う。

正直,暗唱は最初は本当に辛かった。でもこの勉強法には二つのメリットがあった。一つは覚えるものが増えると,だんだん覚えるのが楽になってきた。頭の中で英文知識の回路ができてくると,それ以降は英語の蓄積がなにかしら脳内でつながっていくからだと思うが,だんだん覚えやすくなった。

もう一つは,どこでもいつでも勉強できるというメリットがある。電車で座れなくても,電車を待っているときでも,ラーメン屋で注文した後のラーメンが出てくるまで、トイレに入っている時でも,お風呂に入りながらでも,暗唱は(脳内で)どこでも練習・確認できる。ついでに暗唱したものをしゃべっていると,自分が英語話せる気になるので,モチベーションもあがる。

ところで,模範解答はレベルが高い。でも模範解答を分析すれば,1級に必要な単語をどのように使えばいいのか,どのような構成,組み立てがいいのかわかる。自分では使えないかもしれないけど,暗唱すると結構応用が利き,本番で力を発揮する。

3回目の試験では,「国際テロ」に関するテーマだったけど、いろんなところで模範解答の表現が使えた。やはり,模範解答の暗唱は最強だと思う。

私は仕事柄エッセイの書き方は理解していたけど,英語エッセイの書き方(イントロ,ボディ,コンクルージョンといった基本的な型)を知らない人は,何か別の参考書で補充した方がいいかもしれない。

7.スピーキングは1人スピーチコンテスト方式で

スピーキング力をつけるには実際に話す機会をもつことが必要だと思い,コマーシャルでも有名なDMM英会話に入会した。いろいろ試す中,自分にあった先生をみつけて,好みのレッスンを組み立ててみた。DUOの瞬間英作文をやってもらったり,英検1級対策をしてもらったりした。一番多かったレッスンスタイルは、DMMが提供するDaily Newsを読み,議論するというものだった。

でも,これもライティングと同じ問題が発生。

自分の使える稚拙な範囲の英文しか言えず,ブロークンはブロークンイングリッシュのまま・・・という悪循環に陥った。先生も多少指摘はしてくれるけども,表現力が広がらない。

結局,3ヶ月ほどで退会(一時休止)し,表現力の向上,つまりインプットに力をいれることにした。

まず基本的なスピーキング力を延ばすためには音読と瞬間英作文がいいと思う。

英語勉強法界隈で有名な瞬間英作文(『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング 』)は勉強初期の時に何周かやった。あと『会話できる英文法大特訓 CD付』でも瞬間英作文をやってみましたが,これは挫折した。文章が英検1級試験とは関係ないし,自分の生活でも使わないだろうというものも多く,モチベーションがあがらなかったのが理由だ。

英検1級を受ける人の瞬間英作文教材は,最初でもあげた『DUO 3.0』だ。こちらの表現の方がそのまま環境や社会問題などで使える表現が多い。ただ瞬間英作文するには,日本語訳が自然すぎてやりにくいけど。。。

次に,様々なトピックに対応した表現ができるようになるために,ライティングでも用いた『英検1級英作文問題』の「別冊」を用いた。(この別冊は本当にいい!)

英検的にはライティングとスピーキングは,テーマを与えられて自分の意見を書く,スピーチするという構成なので,勉強は同時に重ねて行なうことが可能だ。

『英検1級英作文問題』の「別冊」では,30のテーマ(原発とか国連とか世界遺産とか)を取り上げて,架空の2人が会話形式で議論になる論点を展開している。ライティング,スピーキングで重要な根拠を示す時に,どの論点を利用すればいいか,参考になった。また必要な単語や表現も身につく。

話はそれるけど,多くの英作文の本は,エッセイの書き方や共通でよく使われる表現が紹介されるだけだ。が,この本は,幅広いトピックの知識と表現を増やすという意味でTOEFL,IELTSのエッセイやスピーキングにも役立つと思う。

さて,4技能すべての能力をあげることを考えて,2015年の8月に集中して,この別冊のディクテーション,暗唱,音読を繰り返した。回数は数えていませんが,50回は音読したと思う。

スピーキング練習で一番効果的だったのは,「1人スピーチコンテスト」だった。ライティングでもスピーキングでも音読,暗唱した教材を1人でスピーチするというものだ。観客がいないし,競争相手もいないのでモチベーションはあがらないけど,すらすらスピーチできるようになると,自分がものすごく英語しゃべれている幻覚におちいることができる(笑)

あとは,実際に使ってみることで表現が定着する。1次試験が終わった後2次試験までは,DMM英会話を再開させ,スピーキングの準備をはじめたが,表現力や会話能力が断然あがったという実感をもつことができた。

■教材と勉強法のまとめ

まとめてみよう。とにかく勉強法としては過去問の繰り返しが王道だ。語彙,リーディング,リスニングの問題を分析,何度も繰り返すことによって,一次合格の力が身につく。できれば過去問10回分をそろえる方がいい。

そもそも英検1級用の参考書は少ない。英字新聞や雑誌(TIME, The Economist,英検的には,Scientific Americanが科学系のトピックにいいらしい)を読む,英語のニュースを聞くで勉強するのもいいけど,英語の大海の中を泳ぐ感じに陥って,どこまでどう勉強していいかわからない。

少ない参考書の中で,一番信頼おけるのが旺文社の参考書だ(実質旺文社の独占状態だし,英検自体もともと旺文社がはじめた経緯がある)。

受験者のパイが少ないせいか,種類も少ないのが現状の中,私が自信をもってオススメしたい参考書は以下の3つだけ(旺文社のステマwww)。(ただし今では作文でもいいのがあるようだ。)

(1)パス単
(2)過去6回全問題集+別売りCD(いわゆる過去問)
(3)英検1級英作文問題(とくに別冊)

パス単で語彙力をつけ,過去問でリーディング,リスニングの解答の仕方と傾向を体になじませ,ライティング,スピーキングには,過去問の模範解答を暗唱する,これが最短の英検1級合格法だと思う。

勉強の仕方で注意しなければいけないのは,覚えよう,理解しようとすると挫折する。まず間違いなく自分のアホさ加減にうんざりするし,自己肯定感が減る(笑)

英語は所詮言葉だ。勉強するよりは,慣れることこそ重要だ。慣れるために具体的な作業に落とし込み,毎日繰り返すことだと思う。

例えば,単語を暗記するのではなく,100個の単語を20分で4周音読するという作業にしてしまう。模範解答を10回音読する,リスニングのスクリプトを3回シャドーイングしてみる,という具体的な作業にしてしまう。

わからなくても気にしない,覚えられなくても気にしない,わからなくても覚えていなくても「繰り返す」と必ずわかる部分があるし,覚えられる部分がある。

繰り返していくと,なじみが出てくる。また,全部わからなかったものの中から,わかるところが出てくる。こうなると繰り返していくうちに,わかるところはさらっと軽く見るだけ,わからないところに時間をかけることができる。

語彙と暗唱はほんとに繰り返しだ。繰り返してなじむ,わかるところを吸収し,わからないところをそのままにしておく,繰り返してくうちにわからないところが減っていく,その過程で身についていくように思う。

歳をとっても記憶力は変わらないとか言う記事を読んだりしたけど、本当に記憶力が減退している。

テレビをみていてキレイな女優さんが出てきて,ヨメから名前を教えてもらっても1回では覚えられない。興味がある若い女性の名前さえ忘れてしまう(苦笑)

ヨメがパン屋で買ってきたパンが美味しかったので,名前を聞いたら「シュガーブリオッシュ」。翌日自分で買いに行ったら,「ブリオッシュ」という新しい単語を忘れて買えなかったという...

そんな記憶力低下の中で,50手前のおっちゃんがここまでできたのは,「暗記しよう」ではなくて「繰り返す」という勉強法だった。

そして繰り返しとともに,どこがわからないのか(頭に入っていないところなのか)を明確にすること,だと思う。わからないところを見つけて,自分のバカさ加減を責めるためではない。次の繰り返しの時に時間を節約するためだ。

繰り返しも時間がとられる。分かっているところ,覚えているところはできるだけ飛ばして,わからないところ覚えていないところを新規に繰り返す方が時間を節約できる。

さて,最後に私の使った教材の仲間たち(戦友www)を紹介しておこう。電車で勉強することが多いので,分割して持ち運びしやすいようにした。

FullSizeRender.jpg

■おわりに

以上の勉強法は,4技能を試す英検準1級,2級でも通じる(2級にも2016年第1回検定試験からライティングが導入され,4技能試験になる)。英検はレベル設定が非常にうまくできている試験で、自分にあった級を順番に受けることにより、英語4技能を順にステップアップさせていくことができる。

しかも英検の良さはテストの質もさることながら、金額が安いという点だ。TOEICでも一般のLRの試験は5725円で受験できるけど、スピーキング&ライティング(S&W)を受けるには10,260円かかり、4技能を測定しようとすると全部で約16,000円ほどになってしまう。いわんやTOEFL、IELTSは25,000円超えてしまう。

ところが英検は一番高い1級でも8,400円で4技能が測定できる。ただ一次(LRW)に合格しないとスピーキングテスト(S)が受けられないというデメリットはあるけど,4技能を測定するテストの中では最高のコストパフォーマンスだ。

私もこれで終わりではない。今の最終的な目標は,ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)のC1レベルの英語力を持つということだ。

英検もCSEスコア制を採用するようになった。英検のスコアでいうと2650から3300あれば,C1レベルだ。安定したC1レベルの英語力だといいたいので,英検スコア3000,IELTS7.0以上を目指していきたいと思っている。
posted by NOBU at 08:00| Comment(10) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今回もとても濃い内容で感心しました。素晴らしいです。それにまとまっているし、すごく読みやすかったので、今後1級を受ける方のいい指標になると思います。

ひとつ同じ世代?(笑)としては、自体が赤いのでちょっと目がしんどかったです〜。すみません。最近電子黒板をよく使うのですが、事態や色って結構大事なんだと感じるこのごろです。

ありがとうございました。
Posted by angel at 2016年12月26日 12:47
字体への指摘、ありがとうございました。修正しました。

また文章自体もまだ修正する必要があるところがあるので、ちょこちょこ直していきます(笑)

(angelさんのブログ、過去にさかのぼっていろいろ勉強させてもらっています。)
Posted by NOBU at 2016年12月26日 15:24
はじめまして。aki-kiyoと申します。

主婦さんのブログに時々おじゃまさせてもらってます。
NOBUさんが最強のお嫁さんと連れ添われてること、存じ上げております。(^^;)

さて今回の合格体験記ですが、つい最近英検準1級に挑戦のカミングアウトをしたところなのでたいへん興味深く読ませていただきました。

特に語彙力強化の為「暗記」から「作業」に変えたとのご提案、早速やってみようと思います。

では。
Posted by aki-kiyo at 2016年12月26日 21:45
aki-kiyoさん

コメントありがとうございます。私も主婦さんのブログに共感することが多く、大のブログ・ファンです(笑)

語彙強化の話が参考になればうれしいです。暗記はあきらめて作業にするのは日課になりますし、精神的な負担から解放されるのでおススメです。

主婦さんは私のヨメネタでずいぶん楽しんでおられますが、私が主婦さんのブログでヨメネタ書いてることがバレると、大変危険な目にあいますので、リンクが貼れません(爆)主婦さんブログは私の癒しの場所なので、内緒にしとこうと思っております。
Posted by NOBU at 2016年12月26日 22:01
NOBUさん
有益な記事を掲載くださりありがとうございました。
1級の過去問を取り組むものの正解へたどり着くどころか、本文の内容の理解に苦しみ気落ちしていたところでした。
合格までの道のりは長くとも一歩ずつ基礎力をつけていこうと再認識いたしました。
Posted by Melmo at 2016年12月27日 11:32
すばらしい記事ですね!
仕事中にも関わらず,一気に読んでしまいました(仕事しろよ…)。

特にDuoを勧めておられるのが興味深いですね。
私も以前にDuoを使っていたことがありますが,英検一級に役立つとは思っていませんでした。
あと,百式英単語勉強法も試してみたいと思います。

ただ,1月の試験まであと1か月。
いまさら勉強法を変えるのは得策ではないでしょうから,2月か3月から,ここで紹介されている勉強法を取り入れてみます。
Posted by poo_suke at 2016年12月27日 12:44
NOBUさん、
近いうちに1級を受ける予定でいる者です。度々ブログを拝見させてもらっては勉強法を参考にさせて頂いてます。
私も独学で試行錯誤して学習している身のため、先達の方が今の私と同じ壁に直面し、苦労しつつも克服されてきたことを知ると大きなモチベーションとなります。
’’若者に負けられない’’、とブログ内で散見されますが、私も’おっちゃん’に負けないよう努力したいと思います。
Posted by シュン at 2016年12月27日 23:48
Melmoさん

お読みいただきありがとうございました。はじめて過去問をやった時は、正直時間オーバーさせて47%の正解率でした(本文ではちょっと見栄はっていますw)。へこみましたが、何回も精読していくうちに読解力はあがっていきました。

合格まで1年、終わってみると短いですが、やっている時は長く感じました。
Posted by NOBU at 2016年12月28日 06:38
poo_sukeさん

コメントありがとうございます。DUO3.0は「It downed on me 〜」などの熟語が過去問に出ています。また本の中の※印の単語は1級単語ですので、基礎+1級少しの単語レベルがあるように思いました。

ご自分の勉強法を大切にしながら、参考にしてみてください。

Posted by NOBU at 2016年12月28日 06:44
シュンさん

おっちゃんへの競争意識、ありがとうございます。こちらもさらに燃えてきます(笑)

モチベーションアップに記事が役立ってうれしく思います。ぜひ最高の状態で英検を受験されて、いい結果が出ますように。

Posted by NOBU at 2016年12月28日 06:46
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